表現者が,通常とは別の形で表現したり,領域外のことをやったりしても,やはりそこは表現する人,何をやっても面白いと思う今日この頃です.
脚本家のブログが面白いのは同じ「文字」を媒体としているから当たり前なのかもしれないけれど,それでも何気ない日常を切り取った日記体裁でも面白いです.
何度か取り上げたことがあるけれど,じてキン・飯島早苗さんの
「顔を洗って出直します」はかなり好き.
演出家のブログも,普段は空間に肉付けをしている人が,「文字」という平面に肉づけをしてもやはり面白くて,日記というよりは業務報告的内容でも,何かを期待させるふくらみを持たせているから,つい足を運んで読んでしまったり.
(脚本家と演出家を兼ねているかたも多いからあまり差はないかもしれませんね…)
今年の8月に「たのきゅう」を作られた話は出ていませんが,また何か歌舞伎をやってほしいわかぎさんの
「わかぎゑふの書かずにはいられない日々」も面白いですし,人気若手だと
「長塚圭史の完全素面日記」とか.
俳優もそれぞれですが,切り口が面白い方が多いと思いますね.
でも,ファンの方の夢を壊さないように気を遣っていらっしゃるのかしらと思う方もいれば,好きに生きているわねぇと思う方もいて…そのそれぞれさ加減が面白くて,時間があるとつい読んでしまうのですよね.その俳優さんに興味はないけれど,内容が興味深いからついみてしまったりとか・・・
だから,お嬢様女優にありがちなセレブっぽい○○でお食事したの♪というのはあまり面白くなかったり…(時としてレストランの参考にはしてますけれどね)
全部観てまわっているわけではないのですが,お友達に教えてもらった岡幸二郎さんのは,タイトル見ただけで爆笑(失礼!)してしまいました…その名も
「エグゼリーノの蒼いため息」
いや,すみません,本当に笑っちゃって.歌うセラピストっていうのもおかしい…
でもタイトルだけでもイメージを崩さないようにというプロの心意気に感心してしまいましたね.
逆に,‘大人っぽいけれど可憐な娘役だと思ってたのに!’という,いい意味でイメージを崩してくださったのが元宝塚花組の香坂千晶さん.サヨナラ公演はナツメさんと一緒だったので行きましたよ〜素敵な役でした.
まさか,
「香坂千晶の踊るしゃちほこ」になるとは…でも女優さんとしていいオシゴトをたくさんされているようなので,嬉しいです.
宝塚の娘役は,演歌歌手の公演のヒロインにおさまってしまったりすることが多くて…実力がある人が多いのにもったいないわぁと常々思っているものですから.
とまぁ,つらつらとブログを例にとって色々思っていたのですが…
実はココからが本題だったりして.
最近,俳優の「歌」を聴く機会がありました.私の中でのイメージは「俳優」というう顔が強かったのですけれど,もともとは「歌手」として活動している方なので,正確に言うと別の形での表現だったり,領域外ではないのですが.
会場で歌を聴きながら,その方はまさに「表現者」という言葉がピッタリだと思いました.
うたうその姿は,その方自身を見せてもいるし,歌の詞を表してもいるのだけれど,実際に眼に見えるライブ会場の背景ではなくて,その歌われている情景が映像として見えてくる…という現象が起きたからです.
一緒に行ったお友達もそう言っていたので…歌ひとつで空間演出もできるのだなぁ,と.
自分と違うキャラクターだったり,生き方だったりするから素敵に見える部分というのはたくさんあると思っていたけれど,どうやらそれだけではなかったみたい.
ある歌を聴いていたとき,今までそんなことなかったのに,歌を聴いて初めて泣きそうになりました.
一緒に行ったお友達も,同じ曲でかなりグッときていたらしく・・・タイプはぜんぜん違っても,感性が近い人と友達になれて幸せだわぁと思ったりしたら,またその歌で泣けそうな感じ.
かなりハマったかも…
夏木マリさま.