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writeNAO
「東海道四谷怪談」@2008.05新橋演舞場・夜の部
普通の、という表現はあまり使いたくないのですが、古典歌舞伎の四谷怪談を久しぶりに観たように感じました。
中村屋の「四谷怪談」、コクーン歌舞伎の「四谷怪談」と続いていたので、どっぷり古典は久しぶりな気がしました。
そして、どちらがいいとか好きとかではなくて、古典ならではの面白さと、物足りなさ(ちょっとした仕掛けの稚拙さなど)の両面を再認識できたような気がします。

以前にも書きましたが、「四谷怪談」が嫌いなのは、怖いからではなくて、観ていて痛いしかわいそうだから。
今回は、痛くてかわいそうで胸が締め付けられる度合いが今まで以上に強くて、お岩さまが死ぬまで本当に胸が圧迫されたような痛さを感じてしまいましたし、そして・・・しっかりと暗くしていたというのもあると思いますが、怖かったです。

初日があいて割りとすぐに観たので、今観るとだいぶ変わってきているかもしれませんが。なんとなく全体的にまだ手探り状態な感じがしなくもなかったですね。

吉右衛門の伊右衛門は、いわゆる歌舞伎の‘すっきりとした色悪’というイメージではないので、顔の色はポスターぐらいに押さえたほうが、より伊右衛門の非道さが強まったように感じました(真っ白でびっくりしてしまいました)。
もともと結納金を主君のお金を盗むことでまかなってしまう悪い人なのだと思うのですが、最初に観た時は、ちょっとしたところから悪くなってしまった、というような感じを受けて少し違和感を感じました。
傘張りをしているときのイラツキ具合とか、伊藤の家から戻ってきて、いよいよ本格的に追い出そうとするときにフッと自分の中の悪人スイッチを入れる時や、隠亡堀の釣り糸をたれているときなど、細かいところですがさすがだと思いながら観ていました。
伊右衛門はもともと悪い人だけれど、塩冶浪人としてなかなか浮かび上がれない自分の身にイライラしていたり、結果DVという形で出てしまうという、許せないけれど人間らしい人なのかもしれないです。そういう部分をうまく出していたように思いました。

宅悦は、お岩さまの顔が変わったときの怖がり方が中途半端に感じました。伊右衛門もそうだったのですが、もっと怖がってくれないと、お岩さまの哀れさが半減してしまうように感じました。
それにしても、かわいそうな人です、お岩さま。
本当に救いがない。生きているときのお岩さまは繊細で儚くて、でも亡霊になってあれだけの執念を見せる力強さが根底にある人。
色々感じたのですが、とにかく見ていて苦しくなってしまったので、なんだかあまり覚えていません。
真女形のお岩さまだと、力強さという意味では少し不利なのかしらとも思いましたが、結構力強かったですね。近頃、あのDV場面で(あんなにひどくて目を覆いたいぐらいなのにどういうわけか笑う傾向にあるので)、本当は変に過剰にならないほうがいいのだと思うのですが。

今回、どうしても気になったのは美術です。
地蔵前と浪宅が殆ど一緒な気がしたのと、蛇山庵室の提灯抜けの下の植え込みが、ただディテールとして隠しているだけの板なのが丸わかりだったり、建物の全体のバランスがおかしかったり・・・
私、美術方面は詳しくないしよくわからないので、観ていて違和感があったり気になることはあまりないのですが、今年は浅草歌舞伎といい、今回の演舞場といい、なぜかとても気になりました。
演劇はトータル芸術ですから、その劇場の規格に合ったものを作っていかないと、どんなに俳優が頑張っても、そのいい演技が半減してしまうと思います。
演舞場や浅草での歌舞伎が、本当に歌舞伎座と遜色なく盛り上がっていくには、こういうところにも気を遣わなければいけないのではないでしょうか。
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Comment
naojiro :
2008/06/03 7:47 PM
naoさんTBのせてくださってありがとう
歌右衛門のお岩様といえばnaoさんが子供の頃観てトラウマ?になったんでしたっけ。

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蘭鋳郎 :
2008/06/04 7:05 AM
 24日に見ました。
 NAOさまのご指摘の点、ごもっともと思いました。非常に細かい所までよくご覧になっているのですね。
 気の付いたことを少し。
 今回の脚本は久し振りに序幕で奥田庄三郎の件を丁寧に演じていました。これは昭和54年の歌右衛門のお岩様の時の通し上演に準じていると思います。僕はストーリーがよく判って良かったと思います。
 福助丈のお岩様は、万事歌右衛門の通りですね。それが効を奏している部分と、そうでないところがあったように思います。田圃裏で吹流しに茣蓙を持っている夜鷹姿も歌右衛門通りで、きれいでしたね。ただ浪宅の独り芝居は過不足を感じました。部分的には突っ込んで演じていましたが、全体像をどうするのかというグランドデザインが今一つ掴みきれていないのではないかと。
 しかし、勘三郎丈の立ち役のお岩様と違って、真女形のお岩様が誕生したのは嬉しいですね。結果はともかく、そういうお岩様を志向していた事は認めてあげたいです。何よりも新しいお岩様役者の誕生を喜びたいですね。是非再演を望みます。
 吉右衛門丈の伊右衛門は色悪でなく、実悪ですね。悪の凄みや大きさでは申し分はありませんが、女の方から寄って来るストレートなセックスアピールは今一つの気がします。逆に実悪の役では滴るような色気を見せるのに…不思議ですね。だから浪宅よりも、隠亡堀が俄然良くなったように感じました。細かい技巧は実に巧いですね。特にセリフが素晴らしい。
 段四郎の直助はいかにもその役らしいですね。安心して見ていられます。地獄宿でお袖に迫るところで脂ぎった男臭さがあれば尚良かったと思います。
 染五郎の与茂七、芝雀のお袖、奥田庄三郎に錦之助と好配役。
歌六の宅悦はご指摘の通り、突っ込み不足だったかもしれません。最後に「大きなねずみが坊ちゃまを」と喚きながら花道を引っ込む時、歌右衛門の時に宅悦に付き合った故延若は手に持った下駄を拍子木のように打ち付けながら言っていました。恐怖のあまり手が勝手に動いたという解釈でしょうが、カンカンという乾いた音が恐怖を煽ったもので、いかにも上方役者らしい細かい工夫でした。今回の歌六はセリフに恐怖心を込めて言うだけで、サラッとした演じ方でした。万事そういう運び方で、行儀は良いのですが、この役はもっと色々と細かい工夫をして良かったのではとも思いました。
 正直言えば、浪宅は物足りませんでした。全幕通して見たところ、やはり隠亡堀が第一の出来でした。
いつもよりユッタリとした運びで、句読点のハッキリした、メリハリの利いたダンマリになっていたと思います。
 長々と失礼しました。

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NAO :
2008/06/09 8:54 AM
◇naojiroさま

いえいえ。
四谷怪談は…あんまり記憶ないんですよねぇ。たぶん観ていないのではないかしら。
大成駒でダメだったのは、あの天下に名高い「隅田川」です…本当にかわいそうで、怖くて逃げ出して、後でこっそり立ってみていました(ーー;)

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NAO :
2008/06/09 8:58 AM
◇蘭鋳郎さま

いつも感想ありがとうございます。

わたしも後半にもう一度見たのですが、ちょっと最初に観た時と感じたことが変わりました。
よかったのが、伊右衛門の「色」の部分が強調されてきたこと、同時に「実悪」も強まっていましたが・・・(いずれにしても非道な奴だということですね)。
反対に、お岩さまは、ちょっと軸がぶれてしまったように感じました。
哀れさがあっていいのですが、その他の部分で上書き消去されてしまう感じでしたね。それが残念だったかな・・・と。

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 5月演舞場の四谷様を観てきました。(私たちのあいだでは四谷怪談とはいわず四谷様と言ってます)
直隠居の余噺日記 (^ー゚)ノ 2008/05/31 7:26 PM | TOPへ

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