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writeNAO
コクーン歌舞伎「三人吉三」初日@2007.06シアターコクーン
6/7観劇
椅子席センターブロック

20070610_397564.jpg

ものすごく単純な感想ですが、久々にやられた、って感じでしょうか。
さわやかな様式美の印象が強い「三人吉三」ですが、原作回帰という意味ではそうではないよね、というのは前回の上演のときに確認済み。
その前回もすごく面白かったのですが、その時に面白いと感じた、登場人物の持つ「陰」の部分がさらに濃縮され、クローズアップされていたと感じました。
江戸の町としての闇、心の闇、陽の当たるところを歩けない人たち。
演出的にも「闇」「陰影」が強調されていて(そのための反対法で強烈な照明を当てている場面などもありましたが)、ちょっと背筋の寒くなるような、とても歩きたくない夜の江戸の町、でもそこしか歩けない人たちの、抜け出したいけれど抜けられないあがきを痛烈に感じました。
黒い闇のシーンが続くので、対称的なラストの白い雪による浄化かと感じさせる部分が以前よりさらに引き立ったと感じました。

 
再演ということで、まずキャスティングが入れ変わった十三郎・おとせですが、とにかくおとせの七之助がよかったです。マイベスト七之助といっても過言ではないかと思います。
しっとりとした色気と健気さ、そして運命を背負っているはかなさがほどよく混ざっていたのですが、特に勘太郎の十三郎との出会いのシーンは、夜鷹という職業が背負っている闇の中で、ほんのりと柔らかい灯がともったかのような淡い色合いを醸し出しながら、その中で十三郎に惹きつけられる強烈な炎が垣間見える、という感じでしょうか。イメージでしか捉えられなかったのですが、おもわず固唾を呑んで見守ってしまいました。
もちろん、十三郎の勘太郎も結構だったのですが、やはりこの場はおとせがリードしているわけですし、あのおとせなら間違いなく容姿の美しさだけでなく、十三郎もひきつけられてしまいますね。
前回の上演時と比べ、大きな、そして確かな成長を手ごたえとして感じた二人でした。

それから、もう一人の配役変更。
友人と、この「三人吉三」という物語は、「土左衛門伝吉物語」でもあるよね、と話したことがありました。
伝吉が庚申丸を盗んだところから始まる物語。全ての因果も人間関係にも、伝吉は直接的・間接的に絡みついてきます。
もちろん外題通り、三人吉三が表の主役ではあるけれど、視点を変えると伝吉の物語になるよね、と。
その伝吉には笹野高史。
伝吉内での独白はまだちょっと間が持たない、と思う部分もあったのですが、和尚VS伝吉の、甘えたくても素直に甘えられない、抱きしめたくても様々な想いが邪魔をして素直に抱きしめてあげられない親と子の歪んだ関係、というのが特にクローズアップされていたように思いました。その素直になれない自分に、素直にならない相手に互いにイラつく感じがすごくリアルで、二人の感情のブレを視覚的に見るような感覚でした。
また、本所お竹蔵裏の場での伝吉VSお坊の攻防では、あれほど業の深さを知って信心を重ねていた伝吉が、逆モドリのように悪人・伝吉にかえっていったときのスイッチの入り具合、でもそれは信心一心は捨てたけれども、その昔、悪いことをすることで人間形成をしていた伝吉ではなくて、自分の業を救うため、名乗れない実の子供を救うための「悪」で…庚申丸を盗んだときに犬と格闘したときの当時とは、意味も趣も違う思いを背負った迫力が、老獪さと不気味さにつながっていっていたのか、背筋が寒くなるような怖さを感じました。この場の「闇」もうまく作用していて相乗効果があったのだとも思いますが。

ところで、肝心の三人吉三についてですが。
お嬢はとってもかわいらしいけれど男らしい、何か一本芯が通っているというか、肚がすわったという印象でした。不良少年があがいているというより、もうちょっと落ち着いた感じでしょうか。一回り力強くなったというか…とにかく、前回とそこが大きく違ったように感じました。
大川端のお坊との立ち回りもそのせいか力強く感じましたし、どこか一角が突出しているわけではない、三人の関係の面白さにつながって行っているような気がします。そういう視点から見ると、お坊は少し弱かったかしら。坊ちゃんであるからこその屈折、という部分が十分に見えてきていない気がしました。周りが濃いから気になるのかもしれません。
和尚はなんといっても吉祥院でしょうか。
十三郎・おとせ(この場の二人も健気で必死でとても結構でした)の首をもって上手奥から出てきたときの和尚の肩越しに、湯気というか、なにやら異常なオーラが見えた…気がしました。
足を引きずりながら首を下げてよろよろと突き進む背後から、覆いかぶさるように発している迫力。ちょっと上手く言葉に出来ないその目に見えない醸し出す力に、息を呑んで見つめてしまいました。

ラストの雪の立ち回りは、椎名林檎の音楽+鳴物+附け打ち。
立ち回りのところで歌が入ってしまったのですが、歌が入ることで(というより、歌のボリュームが大きい?)、せっかくの鳴物と附けが目立たなくて、アンサンブルのバランスがよくないように感じました。ここは曲だけのほうがよかったような気がしますね、個人的な趣味かもしれませんが。でもその三者混合による不協和音のようなアンサンブルはか面白かったです。
本当に最後に三人が折り重なるように倒れて、盆がまわったところでかかる「玉手箱」(というらしい)も、このお芝居にとっても合っていて、三人の戦いが終わった感じがよくあらわれていて、好きです。

ところで、この椎名林檎作曲のいくつかの曲ですが、「玉手箱」も気に入っているのですけれど、私が一番好きなのは、吉祥院でお嬢とお坊が自分たちの身の上を振り返って地獄の様を想像しているいるときにかかっている曲です。
ちょっと切ないような、台詞は恐ろしいことを言っているのですが、どこか救われたいという気持ちが垣間見えるようなそんな気がしました。曲と台詞と雰囲気が合っていたということでしょうか。



【余談メモ】
・私の心を捉えてはなさなかった○○ちゃん…と芝喜松さん
・こだわりの附け打ちyamato-ruさん、ラストの雪の立ち回りのときにチラリと観てください(笑)

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Comment
coco
2007/06/10 9:36 PM
すてきな初日だったようですね(^^)
コクーンという小屋(あえて小屋、で)があってこそのこの「三人吉三」なのかな、とNAOさんのエントリを読ませていただいて感じました。串田さんと勘三郎さんあってのことだとは思いますが、他の既存の劇場空間ではこうはならなかったのでは・・・と。

私が拝見するのは中日近い16日。同じようなテンションであることを、、、あるいは、より進歩しているといいなぁ〜と思いました(*^.^*)早く見たい!

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NAO :
2007/06/11 10:36 AM
■cocoさん

がっつりバレバレな感想ですみません。
思いついたときに書かないと忘れてしまうので…
まだ見ていない方には申し訳ないなぁと思ってたたんでいたのですが、たたむと字がぎっしりになって、さらに読みにくくなってしまうのですよね…
(テンプレートをいじる技術がないだけなのですが(T_T))

色々言っていますが、私はやっぱりおもしろいと思います。
cocoさんの感想も楽しみにしていますね〜

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